『再発後のがん治療の基本を知ることができる』
・本書に対してだけでなく,代替治療に対して科学的根拠がないという批判をする人がよくいます。しかし,裏付けなどがん患者は待てません。裏付けがある方法,効く可能性が高い方法を最優先するのは当然です。しかし,効く治療が何かが全く分からないという場合が末期がんでは普通です。その場合に,体に悪くなさそう,お金がかからなそう(科学的根拠がない治療を退けるべき理由は,詐欺に遭うことを防ぐ点に最大の理由があります)という失うものが小さい手法で,効果がありそうなものは何でも試すべき…など,現時点でがん患者が取るべき最善手を知る手がかりになる本です。
・ただし,注意点がいくつか。まず,本書に書いてある方法も,効く可能性の方が低いということは頭においておきましょう。低容量抗がん剤を試して,何の治療効果も出ていない人もたくさんいます。過度の期待はしない。効くかも知れないという程度です。
・また,同じ治療を受けるなら,優しくて親切にしてもらえる,そのためにはある程度空いている医院で治療を受けた方がよいでしょう。末期がんの状態で,梅澤先生に,「あなたに施す治療法はありません」など言われたら,患者の心は深く傷つくでしょうから…。
ベストセラーズ エ840円