『なんとか飲み込めました、おかげさまで、こんどは恥をかかない程度に』
本書の指導者、堀内宗心は、表千家家元から「的伝」をうけた人物。といっても「的伝」の意味がわかりませんが、指導者としてふさわしい方にはまちがいなさそうです。そして本書は、少なくともお茶のことを何を知らない人間にも楽しく読めて、ひととおりの作法を身につけることができるように構成されていました。写真による所作の図解はていねいで、順を追ってゆけば必ずわかります。もっとも、撮影時のことを想像すると、つい笑いをこらえてしまいますが。うれしいのはルビが丁寧につけられているため、この世界の専門用語をあまり怖じ気づくことなく覚えられるという点。巻末の「お茶を習うためのQ&A」、非常によくわかります。さあ、これでいきなり招かれてもなんとかなりそう。でもほんとをいうと、お抹茶もインスタント・コーヒーくらい気楽に飲んでみたいもんです。がぶがぶ、がぶがぶ。
世界文化社 エ1,575円