『これから伸びゆく方々にお勧めします』
理系学生の方。研究に興味が持てると思います。
醸造関係の方。香りの見方が具体的になると思います。
香料業界の方。とても勉強になります。
その他の方。…泣けます(あ、第5章だけですよ)。
いわゆる研究者の生活を垣間見る一冊ですが、
牛舌をもらってきたり、にんにくをひたすらつぶしたり、
冷凍したぶどうの果皮と果肉を丹念に分けたり…
その情熱もさることながら、
文章のわかり易さと、気取らなさ、深い愛情に引き込まれます。
香りを化学式だけでなく、親しみ深くて想像をかきたてる言葉で解説。
GCを「住所」、MSを「体重測定」とするくだりに至っては柔軟なモノの見方に感服。
自分の仕事を「釘師」と例える、ユーモアと知性には驚くばかりです。
最近研究室(仕事場)から出ていないアナタ。
ぜひゆっくり読んでください。
フレグランスジャーナル社 エ2,940円